「中国株で2000万円儲けた!(仮)」

中国株投資について綴ります。

『社会人になったばかりの頃の同僚の「株で家を買う」発言について』

(2014/09/20)

社会人になって3年目のとある飲み会の席で、同期の1人が
「株で儲けて家を買う!」
と言い出しました。

それを聞いたときに、ちょっとした違和感を感じまして、
それが何なのかを考えていたのですが、まず挙げらることとしては、

・社会人になったばかりなので、株で儲けることより、
 自分の実力を上げて、給料を上げる方を優先するべきなのではないか?

・株で儲けて家を買うというのは、2000~3000万円ぐらいの
 利益が出ないといけないので、現実的には難しいのではないか?

あたりだと思います。

この同期の発言を聞いて、なんだかなぁ、という思いがあったのですが、
30代になって振り返った時に、
「彼の発言は、あながち間違いではなった。」
と思うと同時に、自分の考えも
「あながち間違いではなかった」
と気づきました。


基本的に、
「若い時は自分の能力を上げることを優先するべき」
というのは、経済的な観点から見て絶対的に正しいです。

なぜなら、サラリーマンの人的資本を考えると分かるのですが、
年収300万円や500万円のサラリーマンが、株でそれに相当する利益を
毎年コンスタントに上げるのは、かなり難しいです。

普通20代はお金がないので、仮に500万円の軍資金を持っていたとしても、
300万円や500万円の利益を出すとなると、1.6倍~2.0倍の運用をしないといけません。
しかも、毎年です。
これは、正直言ってかなり厳しいですね。

サラリーマンの人的資本は、1~3億円といわれますが、それを
きちんと運用して、年に300~500万円の収入を得るようにした方が
経済的には効率が良いです。

つまり、数百万円の軍資金は、サラリーマンの人的資本の数億円と比べると
とても小さなものなのです。

なので、若い時に自分の人的資本を活用してきちんと給料を得て、
給料が上がるように努力するのは、経済的な観点から見て正しいのです。


しかしながら、27,28歳頃に、このまま仕事を続けても
まともに家すら買えない、という事実に気がつくのではないかと思います。
人によって違いますが、ほとんどのサラリーマンは、こういった問題に
ぶつかるのではないかと思います。

私の周りの貯蓄を上手くやっている人を見る限りでは、
1人暮らしの人の場合だと30歳あたりまでに、500~800万円を
貯めていると、蓄財優等生になるようです。

中には、親元で暮らしている人で30歳前半までに、2000万円近い貯めた人も
いましたが、親元で暮らせる人は限られていますので、このケースは例外だと
考えた方が良いかと思います。

つまり、20代での貯蓄をもとに、30代でどれぐらいら貯められるかが見えてくるのですよね。
仮に20代で500万円貯めて、30代で500万円~1000万円を貯めたしても
合計で1500万円の貯蓄です。
マンションが3000万円だとしたら、残り1500万円を借金して買うしかありません。

今の時代は、ローンでマイホームを買うことは、逆レバレッジのせいで損する可能性が非常に高く、30年後に仕事が出来ているかどうかもかなり怪しいので、安易にローンを使うべきではありません。
かといって、現金で家を買うのも難しいです。

30歳を目前にすると、こういった現実がはっきりと見えてきます。

自分のことを振り返って見ると、20代後半まで、こういった事に気づいておりませんでした。
なぜなら、昇給のペースがどういったものかを、あまり気にしておりませんでしたので。
頑張れば、給料も次第に上がっていくのではないか?、という淡い期待がありまして、それが打ち破られたのが、27歳ぐらいの時でした。
そこから今後の経済的な問題を真剣に考えるようになりましたね。


ここで、同期の発言に戻るのですが、株で500万円を運用して上手いこと
6倍になれば、3000万円です。
しかし、6倍にするのはかなり難しいので、仮にもっと頑張って元手を増やして
1000万円にし、それを運用したとすると、3倍で3000万円です。
3倍も簡単ではないのですが、香港のH株指数が10年で3倍程度になって
いることを考えると、上手いこと頑張れば達成できないレベルではありません。

ちなみに、投資をやっていない人は、こうった考えが出てこないですね。
同期は、両親が株式投資をやっていたようでして、彼はこういった考えを
理解していたようです。
私は、その時、株式投資の経験が全くないですし、周りにもそういった人が
いなかったので、彼の考えが理解できておりませんでした。

ということで、上手く株式投資などを活用すれば、ローンに苦しむことなく、
現金でマンションを買うということは、現実的な選択肢になると考えられるかと思います。


しかし、株で資金を上手く運用するには、経験が必要なのですよね。
必ず失敗をしますから、大きな金額を運用する前に、小さな金額で
痛い経験をしないといけません。
また、少なくとも暴落は2回は経験しないと、暴落時の対処が上手できません。

そういった株式投資の成功・失敗経験を得るという観点から考えると、同期の発言のように、社会人になったら小額でも良いので株式投資を始めてみるということは、今思えば大事なことだったなぁと、30代になって思いました。

あと、株式運用で、成果が出るのは、結構時間がかかるのですよね。
3,4年なんてあっという間です。
また、暴落が起きたときに、それをチャンスに変えるには、それ以前に
10年程度の株式投資の経験が必要だと思います。
2,3年程度の運用経験だったり、暴落を経験していなかったりすると、
暴落に対して、怖くて手を出せません。
覚悟がもてないのですよね。


というわけで、彼の
「株で儲けて家を買う!」
という発言と、私の
「株で儲けることより、自分の実力を上げて、給料を上げる方を優先するべきなのではないか?」
という考えには、それぞれの観点からの正当性があったのだなぁ、と思った次第です。

おそらくですが、仕事と株式投資の両方を頑張るというのが正解な気がします。