「中国株で2000万円儲けた!(仮)」

中国株投資について綴ります。

『なぜ「ブローカーの言うことは聞くな」と言われるのか?』

「ブローカーの言うことは聞くな」
とよく言われていますが、これは、誰でもすぐに理解できることだと思います。

その理解とは、
「ブローカーは売り手なので、買い手である投資家と利害が対立する」
ということだと思います。

しかし、私が思いますに、上記の点についてだけではなくて、
もっと広範囲に言えることなのではないか?、と思います。


一番厄介だと個人的に思ったのは、売り手の人は、株式市場の
ホットなニュースを面白そうに語る点です。

最近だと、米国市場にアリババのIPOがありましたが、これに
関連する記事もたくさんネット上に出てきました。

「アリババってこういう会社ですよ!」
「どうですか?、面白そうでしょ!」
といった記事がどんどん出てくるのですよね。

この記事自体は、「買いだ!」と言っているわけではないのですが、
株式投資の経験が少ないと、試しに少し買ってみようかな、という
気持ちに次第になってくるのですよね。
みんなが騒ぐので興味が出てくるのです。

上場したばかりの株を買って痛い目をみたことがない人は、
そういう思いが出てきて当然だと思います。
少なくとも私はそうでした。
そして、私はこのパターンで、2,3回ほど痛い目を見ました。
残念なことに、1回では気づかなかったのですよね。
頭では理解したつもりでも、体で理解できておりませんでしたので。

なので、ブローカーの
「最近のホットな銘柄があるんですよ!」
「この銘柄面白そうでしょ!」
「どうですか?」
という発言には、要注意だと思います。
儲かるかどうかと、全く別次元の話です。


あと、他の注意点としては
「ブローカーが言っていることをみんなが話題にする」
という点です。

例えば、株式投資関連のニュースを見ていると、どこそこの証券会社が
この会社のレーティングを上げた、という情報が出てきます。

さらに、ネット上で調べていると、どこそこの証券会社がレーティングを上げたので
この銘柄は有望ではないか?、といった情報なども目にします。

証券会社のレーティングは、あくまでも参考程度にするべきという話を
知っているにも関わらず、日頃の情報収集で、こういった記事を頻繁に見ていると、
ついその気になってしまうのですよね。

参考にするべきでない情報でも、何回も目にしていて、しかも、みんなが
言っていると、正当性がある信頼できる情報なのではないか?、という
思いが出てくるかと思います。

いろんなチャネルから、同じようなことが言われていると、
皆が言っているから、正しいことなのだろうな、という気分に
なってくるのですよね。

これは、本当に危険だと思います。
周りのみんなが言っていることは正しいことだ、という人間の本能的な
認識が働きますからね。
ついつい無意識のうちに信じてしまうのですよね。


例えば、私は、2008年の頃に、
北京オリンピック前に株価が上がる」
というオリンピック効果に関するプロの意見をネット上で見かけて、
そういうものなのか?、と素直に思いました。
2008年になると、北京オリンピックに関する話題も増えてきますし、
オリンピック銘柄という話も出てきておりました。

当時、私は、それなりの株を持っていたので、こういった話を見ながら
「オリンピック前に上がったら売ろうかな?」
と思っていたのですが、2007年の11月をピークにして、その後ズルズルと
下げていって、2008年後半の金融危機による大暴落が発生し、
かなりのダメージを受けてしまいました。
オリンピック効果をなんとなく信じていて、逃げ遅れたという形ですね。

なので、
「ブローカーの言うことは聞くな」
と聞くと、利害関係のことがすぐに思い浮かぶと思いますが、これだけに
限定せずに、範囲をもう少し広げて注意して取り組む必要があると思います。


あと、私が経験した他の典型的な例としては、とある
ベトナムファンドに参加する際の話が挙げられます。

ベトナムファンドのセミナーに参加した際に、
「今中国株をやっていて、資産がこれぐらいあるのですが、
 ベトナムファンドには、どの程度資産を割り振った方が良いと思いますか?」
ファンドマネージャの方に質問してみました。

そうしたところ、
「私だったら全額ファンドに投資します!」
という答えでした。

それを聞いて私は、
「上手くいくと確信しているのだな!よし多めに投資してみようか!」
と思ったものです。

振り返って見ると、ファンドマネージャは、ファンドを売る立場なので、
そういった発言をするのも至極当然だと理解できるのですが、
当時は、そういった発言は、ポジショントークというよりも、
自信の表れに違いない、と判断したのですよね。

というのも、自分の中でも、ベトナム市場が好調だったので、
これはいけるのではないか?、という思いがあったからです。

結局、このベトナムファンドは、最初の償還日を迎えた時は、
当初の資産が1/5ぐらいまでに目減りしていました。

ありえないぐらいの大損です。

結局、全額投資はしていなかったので、致命的なダメージを被る事は
運よく避けられたのですが、
「本当に危ないところだったなぁ」
とつくづく思いました。

これに関しては、ブローカー(売り手)の意見は聞くな、
という典型的な例だったのではないか?、と思います。